第二話 ものたろう

 

  あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。お婆さんは川へ洗濯へ。


 ところが何をおもったか、おもむろにショールをぬぎ水浴びをはじめました。そこへ、とてつもなくおおきなモノが流れてきました。「じゅる」となまつばをながしました。いそいでショールをみにまといモノを家にもってかえりました。

 

 家に帰るとお爺さんがスポーツ刈りからもどってきました。ところが全裸でした。でも、慣れたものでした。お婆さんはお爺さんにモノのことを話しました。

 

 二人はモノを割るために、愛のパワーをためはじめました。二人の愛のボルテージがMAX寸前になった時モノは自らわれてしまいました。

「ガリレーオ」中から男の子がでてきました。ところが、お爺さんとお婆さん「すっぱい、すっぱい」といいながら、モノを食べるのに、夢中でした。男の子は日本一の、メンチをきりました。

 

 男の子はみるみるうちに成人になりました。お爺さんは男の子の名前をよしのぶとしたかったのですが、物語の都合上ものたろうになりました。

 

 

 ものたろうは「おれは、鬼退治にいく!」といきなり言い出しました。いきなりだったので、お爺さんは、ものたろうがアレになったとおもいました。しかし、鬼が島は本当にあったのです。ものたろうは、それを知っていたのでした。「お婆さんは、日本一のきびだんごをつくってください。」「お爺さんはスーツをこしらえてください。」とものたろうはいいました。しかし、お爺さんはスーツの意味をはき違えたのか、耐放射線スーツをこしらえました。ものたろうは「イットェキュマースェ」とポルトガル人の真似をしながら鬼が島へ出発しました。

 

 途中で、犬と猿と雉が「きびだんごをください。くれたらおともします。」とやってきました。ものたろうは三匹にきびだんごをくれてやりました。それは、まったりとしていて、かつ、しつこくなく彼らのからだにパワーがみなぎりました。しかし、猿(アフロ)のものだけはワサビいりでした。猿はこのことを一生忘れまいと心にちかいました。

 三歩行くと鬼が島につきました。ところが、門が開きませんでした。そこで、中の人に開けてもらいました。「おれは、日本一のものたろうだ。鬼退治にきた。」せっかく門を開けてやったのに失礼なことを言うものたろうに、ちょっとムッとして言いました。「失敬だぞ!!君達」ものたろうはムカついたので、鬼を全部倒してしまいました。あわてて、一人の鬼が鬼の大将に知らせにいきました。鬼の大将はいい女をたくさんはべらせていました。しかし、ものたろうが来たのを知って「いっちょやったるか。」といって、てぶらで出ていきました。

 ついに、ものたろうの前に鬼の大将があらわれました。しかし、大将はかわいそうなくらいやせていました。「わるいけど、三発だけなぐらせて。」ものたろうは、ムチャなことを、平気でやる男でした。「うん、いいよ。」でも、大将は、もっとムチャでした。しかし、犬や猿たちにとめられて、なんとかまるくおさまりました。

 「もう二度と悪さをしなければ、ゆるしてやるよ。」「うん。しない。」ものたろうは、やさしい心で鬼達を許しました。(ありったけの女と財宝をもってきなさい。)鬼達は、感動してありったけの宝物をものたろうにさしだしました。(どうかこれで許してください。もう、宝物はありません。)(なんだなんだ、しけていやがる。もっとこうとらわれのお姫さまとかいないのか。)ものたろうは、宝はいらん、お姫さまをかえせといいました。案の定お姫さまはいました。ものたろうは、日本一のメンチをきりました。
 

 こうして、ものたろうたちは野を越え山を越え、家にかえりました。家に戻ると、お爺さんと、お婆さんが喜んで迎えてくれました。その日から、みんなの幸せな生活が始まりました。犬達も自分たちが本当はタイツをはいた人間であることをバラし、いっしょになってさわぎました。

 そうして、いつしか20年がたちました。「おや、もうこんな年か。そろそろ帰るとするか。」ものたろうが、突然帰ると言い出して、みんなは不安になりました。一人成長のはやいものたろうは、身も心も脳みそも一番衰えていたからです。みんなは、ものたろうは、とうとうアレか?と思いました。そのときです。空から光が降りてきたかと思うと、ものたろうの体がふわりと浮かびました。光の先には大きな未確認飛行物体が浮いていました。ものたろうはにっこり笑うと、光の中に消えていきました。みんなは、ものたろうがアレではなかったと分かり、安心しました。

 ものたろうがいなくなったあともみんなは幸せにくらしました。けれど、決してものたろうのことを忘れません。そして、猿もまた、20年まえのあのことを・・・あのワサビのことを・・・決して忘れてはいませんでした。

 めでたし、めでたし。

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